口の中の不調はそのままにしていると全身の不調につながります。
全身の健康は、まずお口の健康から。
噛むことの効用
良く噛む(咀嚼する)ことは、唾液の分泌を促し、食べ物の消化吸収を良くし、皮膚や血管の細胞を活性化する唾液腺ホルモンの分泌を促進するなど、全身の健康や脳の働きに密接な関係があると言われています。
肥満防止
良く噛んで食物の甘さを感じる程度にゆっくりと時間をかけると,
肝臓に貯蔵されている糖が血液中に放出されて,血糖値が上昇してきます。
すると,脳の視床下部で満腹感を作り出す物質(セロトニン)が増加して,
食欲が自然におさえられます。
つまり,良く噛むと食欲抑制のメカニズムが働き,早めにお腹がいっぱいになって
食べ過ぎを防いでくれるのです。
●セロトニンが不足すると・・・
・イライラして攻撃的になりやすい。
・朝、起床後の気分がすぐれず、体を動かす気になれない。
・気持ちが晴れず不安定。
・きれいな姿勢をシャキっと保ちにくい。
・周囲とのコミュニケーションがとりにくくなる。
・少しのつらい出来事、状況に耐え難くなる。
と云われています。
味覚の発違
良く噛み,長い時間をかけるとご飯が甘くなります。
本来の食材の味を感じます。味というのは,食物が舌に当たる感覚,歯ぐきや口唇に当たる感覚,
歯そのものに当たる感触,歯ごたえ,噛みごたえなど口腔全体で感じるものです。
取りはずしのできる入れ歯を作っても,常時使用している人は,その5割程度だそうです。
なぜかというと,食べ物の味がわからないという人が多いためです。
良く噛むことで口の中で食ベ物の味を感じとるのです。
ことばの発達
良く噛むということは,顎を動かす筋肉をフル活動させます。
そして,顔の筋肉や舌を動かさなければできませんし,飲み込むことは,
のどの筋肉を動かすことに他なりません。
ですから,ことばを発する時に使う筋肉と一緒なのです。
これらの筋肉が十分に発達していないと,うまく発音できないことになります。
また顎の発育が悪くなると,永久歯の歯ならびが悪くなります。
前歯にすき間があったりすれば,空気がもれてはっきり発音できなくなります。(サ行・タ行)
よくかんで食べると,何と,脳(のう)がきたえられます。
食べ物が口にはいると,舌や歯が刺激(しげき)を受けて,脳にその様子を送ります。
脳は,「強くかめ」とか「弱くかめ」といった司令を出します。
つまり,かんでいるときは,脳がよく働いているのです。
かむことで,脳に血液もたくさん流れ,脳に栄養分も送られるので,脳の働きをよくしてくれるのです。
歯の病気の予防
歯(口の中)の病気は,大きく分けて,むし歯と歯周病です。
むし歯は歯に穴があいて,だんだん大きくなります。
歯周病は歯のまわりの組織や骨が溶けて,歯がグラグラになります。
どちらも放っておくと歯を失うことになります。
そして,どちらもその原因が歯のまわりにつく歯垢,その中の細薗によるものです。
よく噛むことで食物と歯あるいは歯ぐきがこすれ合い,自然にきれいになります。
自浄作用といいますが,磨かれるのです。未開地の原住民は,
むし歯や歯周病がほとんど無いということを
御存じでしょうか。
きちんとしたブラッシングの習慣がないのになぜでしよう。
実は食べ物がその秘密。
彼らは自然からとれる食べ物を生に近い形で,何でもバリバリ良く噛んで食べるからです。
食べ物にこすられ,唾液できれいになるうえ,歯ぐきや顎の骨もきたえられて
歯はますます丈夫になります。
ガンの予防
良く噛むことで,唾液の分泌が盛んになります。唾液はただ食物を流すだけの水ではありません。
その中にはさまざまな物質が含まれています。
発ガン物質の作用を弱める物質が数多く含まれているのです。
胃腸の働きを促進する
唾液に含まれる多くの酵素は,良く噛むことで混ぜ合わされます。
そして,口の中でまず最初の消化が始まるのです。
胃や腸の中で次の段階の消化が行なわれるので,それぞれの場所で十分消化され胃腸の負担も軽くなる訳です。
また良く噛むことが脳へ伝わり,胃腸からの消化液の分泌を促したり,
胃や腸の運動能力を高めることも知られています。
全身が健康になる
今まであげたことをすべて考えれば当然のことです。
さらに唾液中のホルモンにより,皮膚・口腔粘膜・歯・胃腸・血管などの細胞の増殖と増進,
神経節や神経線維の発育促進がなされるのです。
正しく噛むためには、正しい噛み合わせが必要です。
良く噛むためには、健康な歯が必要です。
噛み合わせが気になる方、歯周病かどうか心配な方、痛いのがいやで虫歯の治療が出来ない方、
お口の不調はなんでもお気軽にご相談ください。